■アーティスト:SPARKS(スパークス)
■タイトル:MAD!(マッド!)
■品番:TRANS850CDJ[CD]TRANS850XXJ[LP]
■定価:¥3,000 +税[CD]¥7,300+税[LP]
■その他:
世界同時発売、解説/歌詞/対訳付、日本盤ボーナス・トラック収録[CD]
世界同時発売、解説/歌詞/対訳付、特殊パッケージ、限定カラー盤[LP]
■発売元:ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ
■収録曲目:
01. Do Things My Own Way
02. JanSport Backpack
03. Hit Me, Baby
04. Running Up A Tab At The Hotel For The Fab
05. My Devotion
06. Don't Dog It
07. In Daylight
08. I-405 Rules
09. A Long Red Light
10. Drowned In A Sea Of Tears
11. A Little Bit Of Light Banter
12. Lord Have Mercy
13. Do Things My Own Way (Cornelius Remix)*
*日本盤ボーナス・トラック(CD)
●Sparks(Ron MaelとRussell Maelの兄弟)は5月23日、Transgressive Recordsからニュー・アルバム『MAD!』をリリースする。Ron Maelは、社会の慣習を最も鋭敏に観察する人物の一人だ。劇作家、漫画家、小説家、映画製作者、歴史家など様々な分野で、彼は、Moliere(モリエール)、Hogarth(ホガース)、Fitzgerald(フィッツジェラルド)、Altman(アルトマン)、Swift(スウィフト)のような存在である。Ronはたまたまポピュラー・ソングという媒体で仕事をしているだけなのだ。彼の兄弟であるRussell Maelは、Ronの観察を独特の魅力的な方法で表現する才能を持ち、フロントマンとして人を魅了し、並外れた音域のカウンターテナーの声にも恵まれている。「Two Hands, One Mouth」という彼らのツアー名の一つを思い起こさせるキーボードのRonとボーカルのRussellの錬金術こそ、まさに彼らがおこなっていることなのだ。そして、バンドの28枚目のスタジオ・アルバムである『MAD!』ほど、それが上手くおこなわれたことはほぼない。『MAD!』では、RonとRussellが、ブランド品のバックパック、タトゥー、遂行的な献身(神、恋人、セレブリティー、スポーツ チームなど)、冗談の覇権、インフルエンサーの台頭などの文化的現象を検証している。風刺は決して直接的ではなく、常にリスナーが空白を埋めるのに十分な曖昧さを残している。また、非常に珍しい語彙(今年の他の多くのアルバムでは「認識論」という言葉は聞かれない)と文化的言及が、聴く毎に飛び込んでくる。音楽的には、ニュー・ウェイヴ、シンセポップ、アート・ロック、エレクトロニックオペラへのオマージュが込められている。これらはすべて、Sparksが開拓した、あるいは発明したジャンルだ。AirからShostakovichまで、他のアーティストが鳴らす音を聴くと、そもそも彼らはSparksが影響を与えた人たちだ、ということを思い出す(Shostakovichは別かもしれないが)。しかし、究極的には、『MAD!』はモダンなレコードであり、現代の世界に属し、現代の世界に語りかけるものだ。アルバムは「Do Things My Own Way」という曲で始まる。これは、アルバムのリード・シングルとなった、典型的な前向きなプログレッシヴ・ポップの曲だ。しかし、この曲は、Mael兄弟自身のマニフェストのようなものでもある。なぜなら、Sparksは、常に自分たちのやり方で物事を進めてきたバンドだからだ。
●Ron Mael(キーボード、作詞作曲、口ひげ)と弟のRussell(ヴォーカル)はロサンゼルスで生まれ育ち、最初はUrban Renewal Project、続いてHalfnelsonという名前でレコーディングを行い、1972年にSparksに落ち着いた。Todd Rundgrenがプロデュースを担当し、Bob Dylanのマネージャー、Albert Grossmanと契約したにもかかわらず、アメリカのオーディエンスは当初、Sparksの独特な皮肉の美学を受け入れなかった。その後、新しいバック・バンドを連れてロンドンに拠点を移し、1974年のシングル「This Town Ain't Big Enough For Both Of Us」が大ヒット。ブレイクを果たした。最近のアルバム『Hippopotamus』(2017年)、『A Steady Drip, Drip, Drip』(2020年)、『The Girl Is Crying in Her Latte』(2023年)は全てUKトップ10ヒットを記録している。